Fに憧れて:03

お次は Canon New F-1 + New FD 50mm F1.2L 、フィルムは同じくイルフォード パン Fプラス50です。
撮っている時は 「大きな差は無いだろうけど、どこか一つでも大きく違うところがあれば面白いな」 …と思いつつ、あくまで操作感触の違いを楽しみながらの軽い気持ちでしたが…

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薄曇り・開放ですが、このカットを見て「全然普通ではないか、いったいどうしたってんだ?」…いやそれがおかしいだろ (^^;) 。普通に写って当たり前なのに何を期待してんだか…(笑)

Nikkor ほど“怪しげ”ではないものの、四隅の光量不足はそれなりに出ています。が、なんだかなぁ…というのは、ちょっとピン位置が違うとはいえ手前のボケ具合はグルグルしていなくて非常に素直な点にちょっとガッカリ…このあたりがLレンズの面目躍如たるところなんでしょうか。

要するに、Nikkorよりは “ごく普通の写り” で面白くもなんとも…違うか(笑)。いかなる場合でも乱れずに “普通の写り” ができるようにと、高級硝子材を導入することによって得られた大きな成果であり、あの赤ラインはその象徴なんですよね…あ~つまんね(笑)。


…と思ったらFDもヤルねぇ、見事な周辺…あれ?…

ここでちょっと問題発生。場所を移動して開放・この時は晴れ間が覗きましたが、現像が終わったネガのこのカットは「右端が素通し…これおかしいだろ」と一目でわかるほどです。

最初は「やっちまった、現像ムラだぁ」と思ったんですが、他の多くのカットはほぼOKにもかかわらず、所々にだけこんなカットが点在するのが解せません。第一、現像タンク内で横向きになっているフィルムの右半分だけムラが出るってことは無いですよね。

いったい何が起こったのか?…左側のお地蔵さんにだけ天からスポットライトが当たっているように見えるのが予想外のミステリー現象ですが、もしかしたら「普通に写ったんじゃつまらん。もっとドラマチックな演出をしてやれぃ」と、このお地蔵さんが悪戯したんだきっと。そういや新品の電池なのに何度か切れないことがあったしな…

冗談はさておいて、画像の乱れ具合から想像して、横走りシャッターを装備するこのカメラに何らかの不具合が起こりかけているようです。36枚の中にこれと同様のカットが、1/2,000秒で撮ったものに限ってかなりの頻度で起こっていました(下のは更に酷い。F2・1/2,000)。

出発時は薄曇りで降水確率も横這い、ISO50のフィルムならNDフィルターは要らんと判断したのですが、途中で晴れだしたので何度か最高速まで使ったっけ。ヤバいな、お返しする前に私が息の根を止めるはめにならなきゃいいが。手にした途端に動き始めた時限爆弾に見えてきたじゃないのさ。 (・_・;) ・・・


気を取り直して続けます。

フィルムとの相性もあるでしょうが、このレンズは硬い描写の方が得意そうだと感じたのはこのカットを見てからです。特に、一番手前のタイヤ表面の質感はNikkorの方が圧倒的にリアルで、同時に現像したフィルムでここまで差が出るのは、やはりそういう特性を持たせてあると思うんですが、シャッター不調の疑いがあるカメラだとコマ毎の露出にもバラつきがあるかもしれず、あまりそこだけを責めるのもなぁ…


ということで、どっかおかしいのならもうこれ以上同じカットを並べて比較をしても意味が無いです。なのでこれ以降F3のオッサンは無視、F-1でどうにかまともに撮れているコマのみをスキャンしました。せっかく張り切っとったのにすまんの、オッサン。どっかそのへんで遊んどってくれ(笑)。

手前のロープを見て、カチッと写すのならこちらかなと思いつつ、私個人の好みで言うとポジフィルムは御免仕りたく候。カラーで撮るなら軟調ネガの方が良さげだと思います。

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FDで撮ったカットで、特にちょっと近づいて撮ったものはNikkorのに比べてアンシャープマスクを半分ほどしかかけていない…と言うか、すぐにガリガリエッジになるのでほとんどかけられないほど、どれも凄まじいほどのピントが来てい(るように見え)ます。

良し悪し・好き嫌いは別として、輪郭線の切れ味はFDの方が一枚上手に 『見える』 のですが、これってハイコントラストな写りになるようにチューニングしているからかも…と思うんです。

というのも、FDで撮ったカットはハイライトが飛び気味になるものが多く、最初はボディ側のシャッター制御が不安定だからかと思いましたが、一方のシャドウ部の再現がことさら明るいわけではなく、それはそれでしっかり締まっているんです。光加減や太陽の位置によって描写傾向に若干の違いが生まれることもありますが、おそらくこれが基本的な性格であり、その面での自由度はNikkorに軍配が上がると見ました。

階調の再現範囲が広い写真というのは、パッと見ただけだとピントが甘く見えます。ですが、一点だけを凝視しながらあれこれいじってみると、実はそうではないことが多いです (少し前のデジタル一眼レフで、Nikon D1系/D100・200 のRAW画像がそんな感じでした) 。

スキャン画像のレタッチでも、アンシャープマスクをかける前にレベル補正でちょっと階調を詰めてやると、かけるシャープ度合いがかなり少なくて済む・ヘタこいたらほとんどかけられないことがありますが、そういう画像は繊細さとはほど遠い、線が太くてちょっと荒い印象を受けますよね。FDで撮った多くの画像は、取り込み時に階調幅をかなり広く取ってもこの印象がついて回り、振り幅の広いNikkorとはずいぶん違うと感じました。

他のカットも全てこの傾向でしたが、この記事の最後に挿し込んだF-1自身のカットはF3で撮ったものです。同じように寄り気味で撮ったのに、線どころか面までもが繊細で優しい写りなんですよね…

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開放で係留ロープを撮る。大口径レンズならではの二面性という点ではNikkorに一歩譲る感のあるFDですが、減光度合いは太陽の位置や撮影距離にも左右されるので、条件さえ合えばこんなに派手に出る素晴らしいカットも(素晴らしいのか:笑)。

よくこのレンズと同FD F1.4を比べて、こっちのは減光が多いからLのくせに全然ダメだという記述の個人サイトを見かけますが、全く何を見てるんだと思いますね。僅かでも四隅が陰った途端に、待ってましたとばかりにまるで親の敵の如く憎み恨み、他の点についてイイことなんかまるで書いていないんですよね。悪いとこばっか探して生きて、何が楽しいんだろ?…これも個性と許容してもっと楽しまんともったいないぞ、小僧ども(そういう自分は減光が出ないとボロカスにこきおろす:爆)。

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上記のシャッタートラブルにどうしても納得がいかないので、一週間後に今度はND4を用意してもう一度撮りに行きました。フィルムは同じくイルフォード パンF プラス50で、現像条件も揃えています。

3枚の左から開放・F1.4・F2で、開放と1.4は1/1000秒、F2は1/500秒です。予想通りマトモに近づいていますね。


その中の1段絞ったF2のカットをピックアップ。

こりゃすごい…時間帯が遅くて陽の当たる角度が違うので左上のボケかたが妙なのは仕方ありませんが、メカ動作がしっかりしていればここまで写し取る実力あり…面目躍如という言葉はここで使うべきだったな(笑)。

端っこ近辺に配置したお地蔵さんは、1段絞っただけでNikkorの2段目(F2.8)以降とタメ張れるほどの解像感で、やはりNikkorと比べてシャープさを際立たせてハイコントラストで前面に押し出してくる印象が強いです。

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…そして前の記事と同じように、本文中の写真はこのNew F-1で撮り、この最後のカットだけはF3で撮りました。この構図だとカメラは向かって左に向ける方が良さげですが、それだとモデル名のロゴ部分に直射日光が反射して見えんのですよ(笑)。

それにしても、どちらのカメラも素晴らしく凛々しいお姿ですこと…この頃はどいつもこいつもイケメン揃いでしたねぇ。やっぱ正当派35mm一眼レフカメラってのは、50mmを装着した姿が最もイカシてるわぁ…♥^ε^♥

※ 今回使ったイルフォード パン F プラス50は
  Kodak Professional Developer D-76を1:1希釈・20℃・8′30″にて現像。
  前浴と停止各1分・定着5分・予備水洗30秒・水洗促進1分・本水洗5分・ドライウェル1分は全てフジフイルム製。
  使用した現像タンクはマスコ・カラータンクプロ、現像と定着は最初の注入後に1分間放置、以後1分毎に4回の倒立撹拌で統一しています。

          ~・~・~・~・(まだ続きます)・~・~・~・~


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No title

とても興味深く読ませていただきました~♪
標準レンズ一本でも、各メーカーの個性って、しっかり出るもんなんですね。
機材ののレビューとしても楽しかったですが、写真もいいなあ。
お地蔵さんの呪いのかけられたシャッター同調ムラ、なんとかのろいが解けるといいですね~^^;

No title

まだまだFDレンズ現役ですね!大口径で開放付近を使ってモノクロ撮影のときはカラーの時よりもつまらない絵になってしまう(私の場合です)のが多いのですがさすがドレも素晴らしいっ。
さて、シャッターですがフォーカルの幕速ムラですね。低速ではなかなか解り辛いですが高速域では簡易計測で約1/1000出てても先幕・後幕にムラがあればそのようにハッキリと出てしまいます。シャッターがすぐにダメになるよな症状じゃないです、調整でだいたい直ります。

No title

blackfacesheepさん、おはようございます。
標準レンズは、寄りたければ前に出る・離れたいのなら後ろに下がればちゃんとその通りに撮れるわけで、見たものを普通にそのまま写すのならやはりこのあたりの焦点距離ですね。
お地蔵さん、「もっとカッコよく撮らんかぃ」…というお叱りの意味があるのかもしれません(笑)。
New F-1の高速域が機械式か電子式かよく覚えていませんが、使い込んでまた復活したらえぇなぁ…と思っています。

No title

pockeさん、おはようございます。
おぉ、直りますか! メカにお詳しいようですね。
このNew F-1はトップカバー背面にオーナー名が刻印してありまして、キヤノンが期間限定とかのサービスでやっていたのではないかと思われるボディです。
勝手にやって傷でも入ったらまずいので、今度オーナーに勧めてみましょう。
それで復活したら、また私が使い倒したろうと思います(爆)。
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