FC2ブログ

灯台下暗し

 
今から10年前、2005年に地元で撮影した商店街の角っこ。当時既に携帯電話がかなり普及しており、「そういえば最近めっきり公衆電話を使わなくなったな…」と感じて撮った記憶がある。

   再

今の人はピンと来ないだろうが、昔は公衆電話とくればタバコ屋、電話ボックスが見当たらなければ 『たばこ』 の赤い看板を探せと言われるぐらい “もれなくついてくる” イメージがあり、私も携帯電話を持つまでは…いや、持った後もしばらくは電波状況の悪い箇所がたくさんあったので、何度も公衆電話を利用した。

この画像に写っている灰皿も今はもう無いはずだが、個人的にタバコ屋としては至って普通の光景に映る。嫌煙ブームに則って、日本中の至る所で町の景観美化に神経質になり始めて以降、こういった昔ながらの風情を持つ光景をトンと見なくなった。いつの間にか、公衆電話とタバコ屋は「運が良ければ見つかるかも」ぐらい珍しいものになったと思う。

そんな話はさて置き、なぜ今頃になってこんな写真を引っ張り出したか…

       ~・~・~・~・~・~・~・~・~

つい先日友人達と飲む機会があり、ここ最近留守番が続いていたGRを久しぶりに持ち出した。しかし飲食中は話が弾んでカメラのことなんぞすっかり忘れ(笑)、やっと思い出したのが散々飲んで食った解散直前だったこともあり、その時はもう潔く撮ることを諦めた。

さて、午前0時を回ったのでそろそろお開きに…という流れになった時、その店から自宅までタクシーを使うほどではないにせよ、かと言って歩むには少々考えてしまう中途半端な距離だったことに気付いた。しばらく迷ったが、1日降り続いた雨も止んだようだし最近運動不足だし、この際だから酔い覚ましがてら歩んで帰ることに決め、店を後にした。

自宅までの所要時間はざっと30分強と読んだものの、まだ多少酔っているのでもう少しかかるか…とここで、普段クルマでしか利用しない道を初めて夜中に歩んで分かったのは、街灯の無い箇所が予想外に多かったこと。加えてこの日は曇が厚くて月明かりが全く期待できず、場所によっては遠くだけが見えて肝心の足元が全く見えない箇所が多々あることに面食らった。

狭い範囲とはいえ、しばらくの間目を凝らしても何かが見えてくる様子が全く無いほどの闇に飛び込んでしまうと、本当に次の一歩が怖くて踏み出せなくなる(自分の足すら見えない)。こうなるとさすがに携帯電話を懐中電灯代わりに使うしか先に進む方法は無く、途中でこれが幾度となく繰り返されるのだから、とても写真を撮るどころではない。

要所要所で用心せざるを得なかったせいで、酔いは覚めるわ気疲れするわ時間は倍半分も読みが外れるわ…とうとう一枚も撮れぬまま自宅近くまで辿り着きかけたあたりで、この灯りに出くわした。

     再02

…と話せば長いことながら、そういう経緯で夜な夜なこの電話機と対面した時に、ハタと冒頭のカットを思い出して過去10年を遡ったというわけ。我ながらよく思い出したと思うし、よくもまぁ探し出したもんだ(笑)。

この電話機はスーパーの敷地内に立っており、休日ならこの前を何度も通ったことがあるにもかかわらず、ここに電話があることなど全く気付いていなかった。明るい時間帯で人が行き交う雑多な風景にこれが紛れていることなど気にも留めなかったし、仮に知っていたとしても日中だと人目が気になって撮らなかっただろう。ましてや、夜も寝静まったこんな時間帯まで待ってからカメラを持って出向くなどこの私がやるわけがないから、飲みに出掛けて正解だったな(笑)。

この時は人の気配が全く無いことも相まって、闇に浮かぶ電話機の姿がとても印象的だった。

       ~・~・~・~・~・~・~・~・~

それはそうと、こうして飲みの席にGRを持ち出した時に限って 「カメラ持ってきて良かった」 という機会に恵まれている気がする。もしかすると、実はこいつも酒が好きなのかもしれない(笑)。広角嫌いを自称する私だが、「メモ代わり・撮れればめっけモン・無いよりマシ」程度の気持ちで持ち出すからだろうか、過去に撮れた画像はどれも肩肘が張っておらず、何度見返しても意外に退屈しない。

上手く撮ろうと身構えないこと。写真を撮る楽しさはまさにそこが出発点だし、広角レンズ攻略のカギも案外そんなところがキモなのかもしれない、と思い始めた。

        …結局、タバコの話はどうでもよかったな(爆)。


1枚目:Nikon D200 + AI AF-S Zoom Nikkor ED 80-200mm F2.8D
2枚目:RICOH GR

 
関連記事

テーマ : 写真日記
ジャンル : 写真

コメントの投稿

非公開コメント

No title

うぉぉぉ、10年をさかのぼる記憶ですか・・・すげえ。^^
私、10年前に撮った写真なんて、よほどの思い入れがなければ思い出せませんわ。^^;
公衆電話、こうしてみると地域の安全に役立っていたのかもしれませんね。
撤去されてしまえば、暗闇が増えるばかりなんであります・・・なんてね。^^;
私も公衆電話フェチなところがありまして、結構撮ってるんですよ。
でも・・・どれもフィルムばかりなんです・・・デジタルで撮ったことがないという。^^;
廃れつつある者同士で共鳴するんでしょうかね、フィルムと公衆電話、あははは。^^;;;

Re: 黒顔羊さんへ

黒顔羊さん、こんにちは。
私も、なんでこのカットに限って覚えているのか自分でもようわからんのです(爆)。
しかし田舎の一人歩きは、都会とはまた違った怖さがありますね。
もう単純に闇が怖い(笑)。わずか一歩が踏み出せないんです。
光が無いことがこんなに不自由かと改めて思い知りました。
それはそうとフィルム、そろそろ使わなきゃなぁ…(^^;)。
検索フォーム
プロフィール

kgr

Author:kgr

カレンダー
09 | 2018/10 | 11
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
コンパクト月別アーカイブ
リンク
天気予報

-天気予報コム- -FC2-