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低山が良いので低山通い

 
おぉ、もう3月だって。早いなぁ…では久しぶりに近況を。



現在トレーニング代わりに通い続けている低山は標高614mだが、1,600~1,700m級の歩き易い山々が並ぶ阿蘇・九重・由布に通っていた当時、その低山にはほとんど寄り付かなかった。遥か大分県まで3時間以上(熊本なら更に1時間)かけてほぼ毎月せっせと通っていたくせに、自宅から車で15分程度の所にある地元の山に行かなかったのは、標高が低いからとバカにしていたわけではない。

地元の山は駐車場の標高が約90m/山頂が614mなので標高差は524m。一方、やまなみハイウェイ沿いにある牧ノ戸峠という登山口を例にすると、登山口の標高が1,333m/主峰となる久住山の山頂は1,787mなので、その標高差は僅か454mでしかない。

大きく違うのは、地図上での移動距離は九重の方がうんと長いこと。つまり九重全体で見ると、長い距離を歩く代わりに勾配はかなり緩い。一方の地元の山は、狭い範囲で一気に高度を稼ぐ地形(等高線の間隔が密)なので、体をイジメる度合いは遥かに高くなる。

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更に、木々が鬱蒼と生い茂る低山は、展望の効くポイントは数えるほどしか無い。雑木林の間を縫う急な登り勾配・上り階段が続く薄暗い山道を、上見たってどうせ何も見えないからと下ばっか見てゼイゼイハアハア言いながら登るわけだから、僕の心境はもう半分修行みたいなもんだ(笑)。

   



対する上記の九重牧ノ戸ルートには目ぼしい木立が少なく、歩行中はほぼ全域で360度の大パノラマ。僕にとっては人生初の山歩きの場であった九重連山は、ただ歩くだけではない+αの魅力に溢れており、通い詰める最も大きな理由はそれだった。

   

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地形はさて置いて標高がそれだけ違うと、季節によって山の様子そのものもまた大きく異なる。駐車場からして既に標高が高い九重は真夏でも涼しいが、そこらの低山になると当然平地と大差ない酷暑の中を歩くことになる。それに加え、低山の春~夏は虫に悩まされるのが困りもの。虫って普通は昆虫を指すが、もうこの際だから蜘蛛やヘビも一緒くたに考える(笑)。

低山の細い登山道の両側に広がる雑木林だが、ジョロウグモなんかは雑木林の真っ只中ではなく、人の踏み跡がしっかり付いた登山道に堂々とデカい巣を張る。風の通り道になる登山道に巣を張っておけば、それに乗って獲物が飛び込んでくる確率が高いことを知っているんだろうな。ところが眼鏡族の僕はレンズに付いた汗で前がよく見えないことが多く、ほぼ毎回その巣に顔から突っ込んで 「うわーっ! やられたぁ!」 とか罵声をこだまさせるわけよ(爆)。

ヘビなんてもう夏の風物詩。麓近くに川があるので、シマヘビや青大将ならいつでもどこでもハイまいどぉ。時には、皿巻いたハミ(方言で、“とぐろを巻いたマムシ” のこと)に出くわすことも珍しくなく、ちゃんと下も見てなきゃ危ないのだ。

秋になって涼しくなると奴等が居なくなってヤレヤレ…と思いきや、今度は猪や鹿がウロウロし始める。あの子ら寒い時期はエサを求めて麓近くまで降りて来るので、体に付着していたダニが油断ならん。

そもそも大きさや姿形が家庭で飼うペットとはちょっと様子が異なる(そらそーだ)こともあり、1人でトボトボ歩いている時にガサガサッ!とかいきなり目の前に現れたりすると、場所が場所だけに大層タマゲるんだこれが(笑)。

そんなこんなで標高の低い山って年間を通じて意外と気が休まらないので、それらから解放されるだけでも九重に逃げ込む意味はあった(夏でも蚊が居ないんだもん、そりゃ天国だ)。高い所で要注意なのは冬の寒さが麓とは比較にならないほど厳しいことだが、天候変化も含めてそれさえ心得ていればまるで別世界なわけ。



ところが、ここ数ヶ月間地元の低山に毎週通い詰めるにつれて、その気になれば低い山でも案外楽しめることに少しずつ気付き始めた。

例えば歩きのリズムや呼吸法。『スピードを意識する代わりに要所毎でしっかり休憩 vs 歩みはゆっくり・休憩は最小限』 とでどちらが楽かを試すとか。前日どれだけ飲んだかを加味するのも面白く、例えば最近流行の9%ストロング酎ハイは、500mlを2本飲むと翌日エラい目に遭うので1本で我慢せんとイカンとかな、そういうことも絶賛お試し中(爆)。

食べ物に関しても、以前はちょっと遠くの山に行くというだけでついガスコンロ+コッヘルをセットで持ち出していたが、近場の山なら小型アルコールストーブ+果物でいいだろ…と思い付きで試したら、これが意外と功を奏した。前の記事でも書いた通り、軽食と水分補給を同時に済ませることが出来る果物を導入して以降、持ち歩く水の量を減らしても余ることが増えた。

   

そういうことを昔ならせいぜい月に1回しか試せなかったし、当時はなまじ体力があったので本気で考えなかった。再開後は落ちぶれた自分の体と相談しながらということもあり、毎週手を変え品を変え色々やってみると、それこそ毎回のように新発見があるので新鮮な気持ちで向き合えるのだ。

今はまだリハビリ途中なので登頂時間を一つの目安にしてはいるが、だからと言って闇雲にスピード・高過重を追求したところで、あの頃のパワーとスタミナが戻ってくるわけではない。そのあたりは重々承知の上で、昔は全く思い付かなかったところから別の楽しみ方が見つかったのは素直に良かったと思うし、その内容はこれからもどんどん変化していくと思う。

年齢を重ねて足腰が弱くなるにつれ、当然無理は利かなくなる。が、よく言われる 『山の価値は標高だけで決まるものではない』 という言葉は、『山の楽しみは自分で見つけてこそ価値がある』 と置き換えても案外外れていない、と思い始めた今日この頃。

 
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