300mmとISO100

 
35mm一眼レフが主力の頃は135mmあたりのレンズでスパッと切るのが好きで、50→100mmときてこのあたりからファインダーに映る画角と被写界深度が、肉眼とは違った鮮烈な印象になり始めることが理由の一つでした(ズームレンズしか使わない人はそこに気づかない)。

かつて所有していた80-200mmズームでもほとんど真ん中あたりしか使わず、「それならズーム不要・135mm単焦点1本ありゃよろし」と実際に入れ替えると、更なる高画質と機動力を手に入れることができて幸せになりました。

その後、主力が完全に中判に移ってからというもの、「6x7でもあれを味わってみたいけど、そうすると…うゎ300mmか。ちょ~っと厳しいな。でもバケペンなら1/1000まで切れるからそれにおんぶだっこでどうにか…」で、約半年かかって見つけた出物300mmは…

以下、PENTAX 67Ⅱ + 300mm + FUJICHROME PROVIA 100F、今月上旬に撮影。


ハッキリ言って、修行なのか拷問なのか自分でもわかりません(笑)。前記80-200mmズームが大きくて重い(20cm強で1.5kg超)割に135mm近辺しか使わないからアホらしくなって手放したのに、今度はそのあたりの画角のみ固定でまた同じ大きさ・重さに戻りました。(^^;)

ボディサイズが通常の一眼レフに比べて楽に2倍はあるバケペン、しかもシェイクリダクションなんて気の利いた機能があるはずもないですから、構えて構図をあーだこーだ悩んでいるヒマはありません。構える前から「こう切る」と決定して構えないと、ほどなく両腕はプルプル…両肩から首にかけての筋肉がチタンになります。

300mm + 6x7の広大なフォーマットは、ファインダーから目に飛び込んでくる光景が一種異様に感じます。背景も含めたすべてを大胆に引き寄せているはずなんですが、対35mm一眼レフだと縦も横も2倍の範囲が見渡せるその画角の広さにオロオロ。しかしそのピント範囲外の容赦ないボケ方はやはり300mm、肉眼ではあり得ない異次元の世界に引き摺り込んでくれます。

       〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

まぁレンズの話はさておいてフィルムですよ。今回の一連の記事で使ったフジクローム・プロビア100Fのスキャンがとても楽なことに改めて感心しましたが、特にこのフィルムの色の出方が素直なことが大きく影響していると思います。

中には彩度が高過ぎると感じるものも何枚かありはしましたが、基本的に日向で撮ればおかしな色転びがほとんど無いフィルムなので、スキャン完了後に色は直接いじらずレベル調整のみ→アンシャープマスク調整でハイ終わり、となったカットがほとんどでした。よく「プロビアは日陰が青くなる」という評価を聞きますが、日陰ってのは実際に青っぽく見えることが多いんだからそれはそれでいいと思います。

いつものネガとちょっと勝手が違ったのは、
 1.かけられるアンシャープマスクの量はネガの半分以下
 2.取り込み直後のTIFFもリサイズ後のJPEGも、いつものネガスキャンより若干ファイルサイズが小さい
ことで、フィルム上で像を形成する銀粒子の仕組みが根本的に違うのか、色変換しなくて済むのでPCも労働量が少なくて済むのかはわかりませんが、確かにスキャン時の取り込み時間も短いです。露出に関してはやはりシビアですが、HDの占領度合いも少なくて済むので大量に撮ってデジタル化する人にはメリットがありそうです。

惜しいのはISO400銘柄が事実上プロビア400Xしか選択肢が無いことで、これの価格がまた倍近くするんですよねぇ…ネガとは違ってISO100銘柄が圧倒的に多いため、手持ちで撮る限りは大きく絞り込むことがちょっと難しくなります。しかしフジフイルムもGF670を2モデルも出したのなら、“アスティア400F”なんて新規で出してくれると最高なんですが…無理か(T T)。もうこれから先はISO400ポジの新開発は無いでしょうから、今選べる銘柄だけでも機会があればじっくり丁寧に楽しみたいです。

しかしまぁ、ブローニー・リバーサルフィルムをライトボックスに広げた時の美しさってのはそれはそれは見事なもので、「ホォ~…」 とまず先に出るのが溜息…135フィルムとは比較にならないリアル感は、何度見ても度肝を抜かれます。ファインダーで見たそのままが目の前で再現される迫力を味わってしまうと、もうデジタルだの解像感だの周辺減光だの…そういうツマラん論議なんぞ屁にもなりません。もちろんルーペ無しでも楽しめるほどの大きなサイズであることが強く味方しているわけですが、こうしていろんなフィルムを知れば知るほど面白さが倍増して、どんどん中判から離れられなくなる理由がよくわかります。

      たまにはよござんすよ、ブローニー・リバーサルフィルム。

 
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No title

さすが300mm、すんばらしい立体感とボケなんであります。
大きなフォーマットならではの描写、おっしゃるようにこういうものを見てしまうと、フルサイズデジタルなんてあほらしくなるんであります。^^v
私もこのレンズ興味津々なんですが、中古でも結構高いんですよね~^^;

No title

blackfacesheepさん、こんばんは。
ハイ、思わぬ臨時収入で大部分賄えましたが、僅かに足りない部分は使わなくなったデジタル機器を…高かったなぁホントに。
でもさすがですねぇ、名前を出していないのに二つのうちのこっちだとよくわかりましたね。
いろいろ聞いて回ったんですが、三脚に据えるのならノーマルの方でもいいけど、手持ちなら(要するに開けるのなら)絶対に緑帯にしなさい、と言われました。
このあたりの焦点距離になると普通の35mmカメラとは違う意識でファインダーを覗く必要があるようで、300mmの浅さとは裏腹の広い画角に戸惑ってばかり…なかなかこれらしい絵が撮れません。
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